自己破産前の任意売却のメリット

大阪京橋の司法書士小林一行です。

 

マイホームをお持ちの方が自己破産を申し立てると、資産のある方の破産手続きという事で裁判所より多額の予納金の支払いが命じられてしまいます(20万円~50万円ほど)

これは、資産を換金して債権者に分配するために、管財人へ手続き費用を支払う必要があるからです。

 

この点、自己破産の手続きに入る前に、マイホームを任意で売却しておけば、申立て時には資産がない状態になっていますので、上記の予納金が不要となります。これが任意売却の大きなメリットのひとつです。その他の任意売却のメリットとしては以下のようなものがあります。

 

 

引っ越し費用を捻出してもらえる場合がある。

 

→破産手続きに入ってから不動産が処分されても引っ越し費用は、自己破産を申請されるご自身で捻出する必要があります。
これに対して、破産手続き前に任意売却しておけば、引っ越し費用を住宅ローン債権者が捻出してくれる場合があります。これは、自己破産手続後の売却は不動産の市場価格が低下するため、事前に売却しておきたいという住宅ローン債権者の思惑があるからです。

 

第三者に自己破産を知られない。

 

→任意売却をするにあたって、自己破産する事を買主や第三者に説明する必要はありません。そのため、自己破産する事を近所の方達に知られるという事もありません。

 

費用負担もない。

 

→不動産業者の仲介手数料や、抵当権抹消費用等の諸費用は不動産の売却代金から支払われます。そのため、通常はかかる不動産売却の手数料が、任意売却の場合は不要となります。これは自己破産により新たな生活をスタートさせるにあたり大きなメリットとなります。

 

これらのメリットに対して、自己破産前に任意売却をする事のデメリットというのはほとんど考えられません。そのため、当事務所でも、自己破産をされる依頼者様で不動産をお持ちの場合は事前の任意売却を勧めております。

商業登記規則の一部が改正されました。

平成27年2月27日より、商業登記規則の一部改正が施行されました。

主な改正点は以下のとおりです。

 

1、株式会社の設立の登記又は役員(取締役,監査役等)の就任(再任を除く)の登記を申請するときには,本人確認証明書の添付が必要となります。

→本人確認証明書としては、住民票の他、運転免許証のコピーでもかまいません。なお運転免許証のコピーは表裏ともに提出する必要があります。

 

2、代表取締役等(印鑑提出者)の辞任の登記を申請するときには,辞任届に,当該代表取締役の実印の押印(市区町村長作成の印鑑証明書添付)又は登記所届出印の押印が必要となります。

 

3、役員(取締役,監査役,執行役,会計参与又は会計監査人をいいます。)又は清算人の就任等の登記の申請をするときには,婚姻により氏を改めた役員又は清算人(その申請により登記簿に氏名が記録される方に限ります。)について,その婚姻前の氏をも記録するよう申し出ることができるようになります。

 

役員の登記には公的書類等が必要になり、従前に比べて厳格な運用となりましたので、今後取締役の就任登記等をご検討されている場合はご注意ください。